- このページではストーリーのネタバレ無しでNintendo Switch版『マリンエクスプレス殺人事件』のレビュー、感想を記述しています
- 物語の結末や重要な内容には触れていません
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『マリンエクスプレス殺人事件』（2023年12月現在）
- 『マリンエクスプレス殺人事件』
- 価格：500円
- ジャンル：ミステリー ビジュアルノベル
- プラットフォーム：Android Nintendo Switch PlayStation4 PlayStation5 Steam Xbox One Xbox Series X|S
- 開発元：1564 Studio
- リリース日：2021年7月30日
『マリンエクスプレス殺人事件』はレトロなドット絵のグラフィックで構成されたミステリービジュアルノベルゲームです。
ゲームはテキストを読み進めていくことで進行していきます。また、主人公のスマートフォンには生徒たちのプロフィールやグループチャットの情報が随所追加されていきます。プレイヤーはそれらの情報も参考にしつつストーリーを追っていくことになります。
この作品は『東川乱子シリーズ』第1作とされています。シリーズ名から日本で作られたゲームのように思えますが、実はスペインを拠点とする1564 Studioで生まれたゲームです。
あらすじ
舞台は現代より少し未来の世界。主人公の東川乱子は名門女子校セント・ヨアキム・アカデミーの生徒です。アカデミーの生徒たちは修学旅行でカリフォルニアから日本までをつなぐ新しい海底列車、マリンエクスプレスに乗車していました。
穏やかな時間が過ぎていくと思われた中、列車内で殺人事件が発生。密室事件の現場と化したマリンエクスプレスは恐怖に包まれます。
乱子と友人のアストリッドは犯人を突き止めるために捜査をはじめることにしました。
全体の感想と推理ものとしての評価
クリアまでの時間は2〜3時間と短いボリュームですが、価格相応に楽しめました。海を走る未来のエクスプレスという舞台、個性的な登場人物たち、ドット絵のレトロな雰囲気が魅力的でした。
また、ユーモアあふれる会話や、生徒たちのグループチャットに挟まれるコミカルなこぼれ話に楽しませてもらいました。
推理ものとしては比較的堅実な内容になっており、各所で示される情報をしっかり拾っていくことで推理を楽しむことができると思います。
正直なところメインシナリオや推理要素に関しては「悪くはないけど特筆するほどのものはないかな」という印象だったものの、全体としては楽しめる内容になっていると思います。
良かった点
登場人物と舞台設定が魅力的
登場人物ひとりひとりが個性的で、印象に残る人物像を持っています。また、登場人物たちの出身国は様々で、それぞれの出身国ネタを交えた会話が繰り広げられるなど国際色豊かな雰囲気が楽しめました。
舞台設定も魅力的でした。お金持ちの子女が集まる名門学校の豪華な修学旅行、アメリカと日本をつなぐ未来の海底列車といった設定にワクワク感があり、物語のつかみとしても引き込まれました。
ユーモアのあるテキストと雑学
作中にはジョークやユーモアが満載です。ところどころに現実世界のネットミームやおもしろいトリビアなどの小ネタが挟まれていて、シリアスな事件とコミカルな日常とのメリハリをつけつつ楽しませてくれました。
探索不要のビジュアルノベルのメリット
この作品は移動や探索、選択肢がないシンプルなノベルゲームとなっています。能動的に動く楽しみはありませんが、無駄なマップ移動や探索に煩わされずにすむので物語を楽しむことに集中できます。
最小限の操作でゲームを進行でき、途中で詰むこともないので短編をサクッと楽しみたい時には最適です。
しっかりした日本語翻訳
ネットミームやダジャレの多い文章もしっかり意味が伝わるように日本語翻訳されていて読みやすかったです。
また、言語が選択できるので「この言い回しは英語ではどうなっているんだろう？」と思った部分を実際に英文で読んでみるという楽しみ方もできます。
現段階（2023年12月）では日本語、英語、フランス語、スペイン語が選択できます。設定画面から随時切り替えが可能なので、これらの言語でゲームをしながら語学学習をしたいという方にもおすすめです。
注意点
クリアまでの時間は2〜3時間程度
クリアまでの時間は早ければ2時間前後、じっくり進めていっても3時間程度になると思います。
ワンコインで購入できるゲームなので値段相応になっていると思いますが、長時間遊べるゲームを求めている方は注意してください。
選択肢や分岐は一切なし
このゲームには選択肢や分岐は一切ありません。マップ移動や探索などの要素もありませんので、自分で行動を選択して進行するゲームをプレイしたい方はご注意ください。
おわりに
『マリンエクスプレス殺人事件』は東川乱子シリーズと銘打たれている作品です。現段階ではこの1作しか存在していませんが、今後、乱子たちが登場する作品をまた楽しむことができるかもしれません。次回作が出ることがあればぜひチェックしたいと思います。
それでは、ここまでご覧いただきましてありがとうございました！
