このページではSwitch版『Strange Horticulture -幻想植物店-』のレビュー・感想を記述しています。
『Strange Horticulture -幻想植物店- 』
概要
『Strange Horticulture -幻想植物店- 』
- ジャンル:アドベンチャー/パズル/謎解き
- メーカー:Iceberg Interactive
- 初リリース日:2022年1月22日
- プレイ時間:5、6時間程度
- プラットフォーム: Steam/Nintendo Switch(2022年8月6日現在)
「Strange Horticulture -幻想植物店-」は、とある植物店の主人となって店を訪れる客に植物を提供していくアドベンチャーゲームです。
訪れる客は弁護士、魔女、カルト信者など様々。扱う品も心安らぐ鎮静薬から命を奪う毒物まで幅があります。
店主として人々との出会う中で、主人公は数百年以上を遡るオカルトミステリーへいざなわれていきます。
良かった点
分岐とマルチエンディング
このゲームにはストーリーの分岐があり、迎える結末は複数用意されています。
進む道を自分で選べる楽しさがあり、一本道ではないゲームが好きな方にはおすすめです。
謎解き要素や植物名の翻訳がちゃんとしている
ゲーム中、主人公は謎解きをしながら話を進めていくことになります。そういった謎解きに関わる文章もしっかりと翻訳されているので、違和感なく進むことができました。
ゲームの肝となる植物の名前もしっかり訳されていました。中には「名は体を表す」的な植物も登場するのですが、意味や植物名っぽさを損なわず訳されています。
豊富な植物と店を訪れる様々な客
主人公が植物店で取り扱う植物は多様で、それぞれ異なる外見上の特徴や薬草としての能力が備わっています。アイテムとしての植物の豊富さには満足感がありました。
店を訪れるお客さんの人物像や、店に来る目的も様々です。病気を治したり、困りごとに手を貸したり、中には怪しい魔術や儀式に関わるものも……。植物店の店主として色々な注文に応えていくおもしろさはこのゲームの醍醐味です。
パズル的な謎解き要素・ヒントもあり
ゲーム中、パズル的な謎解きがいくつも用意されています。中には結構悩むものもあり、程よく手応えがありました。
段階的にヒントを聞くこともできるので、難しい謎解きが出てきた場合でも詰まずに進むことができます。
落ち着いた雰囲気
ゆったりと落ち着いた雰囲気がとても良かったです。穏やかなBGMと時々聞こえてくる雨の音や雷の音が心地良く、程よくリラックスしながらプレイできます。何に急かされることもなくマイペースに進められました。
ワクワクする世界観
幻想植物、薬草、魔法、儀式……、とワクワクする要素が詰まっています。人を癒す薬草だけではなく時に毒となるような植物も扱うというちょっとダークなところが個人的に好きなポイントです。
気になるかもしれない点
PC向けの操作感
元々Steamで発売されていたゲームということもあり、カーソルを動かす操作が中心となっています。また、画面構成もPCを念頭に作られているようで、Switchの画面では少し細かく感じるところもあります。
とはいえ平面的で動きの少ないゲームなので、コントローラー操作でもそれほど苦ではないと思います。また、Switch版のタッチパネル操作を使うとスマートフォンゲームのように直感的に操作できます。
画面の構成、特に出てくる文章の細かさは気になるところですが、ZL/ZRボタンまたはタッチパネル操作で画面を拡大縮小することができます。
ほとんど画面の変化がない
基本的にすべてが店内の画面で進行していきます。マップを探索した時も探索した先に何があったかというテキストと挿絵程度のイラストが表示されるだけなので、映像的な楽しみは少なめです。
コンティニューにパズル
このゲームでは、ゲームオーバーとなった後コンティニューする際にパズルを解かなければならないというペナルティがあります。
簡単にクリアできるレベルではありますが、ここはちょっとだけだるいなと思いました。
とはいえ、ゲーム上、総当たりみたいになっちゃうと面白くないので必要な要素なのかもしれません。私は1週目で3回ゲームオーバーになりましたが、慎重にプレイすれば何回もゲームオーバーになることはないと思います。
もっと「経営要素・お店感」が欲しかった
個人的にこれが一番残念でした。
どんどん商品を販売して、資金が増えたら店の品物を入荷したり、設備を増やしたり……という楽しみを想像していたのですが、そういう経営要素はありません。
お客さんに商品を渡しても、基本的には植物図鑑のページが増えていくだけになります。
ポーズだけでも植物店を経営しているという感覚が欲しかったのですが、そういう感覚は味わえませんでした。
お客さんに植物を差し出すだけの展開が多いのも少し物足りなさを感じました。話が進むと一応調薬もできるようになるのですが、どうせならもっと薬草を煎じたり挽いたり混ぜたり、と色々な加工をしてみたかったです。
おすすめできる人、おすすめしない人
○ まったり遊べるゲームが好き
○ アドベンチャー、パズル、謎解きが好き
○ 魔術や架空の薬草などオカルト要素が好き
× 数十時間は楽しみたい
× ムービーやスチルを楽しみたい
× 経営シミュレーションを楽しみたい
独特な雰囲気にワクワクできそうな人にはおすすめ!
世界観と雰囲気が良く、ゆったりと楽しめるゲームでした。
映像的な派手さはありませんが、テキストや雰囲気にワクワク感を見出せる方は買って損はないかなと思います。
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