- このページではストーリーのネタバレ無しでNintendo Switch版『ENCODYA』のレビュー・感想を記述しています
- 物語の結末や重要な内容には触れていません
- 各ストアのページに記載されている範囲の情報であらすじを紹介しています
『ENCODYA』
あらすじ
物語の舞台は2062年のネオベルリン。悪政の影に覆われたメガロポリスです。主人公の少女ティナは両親を亡くし、護衛ロボットのSAM-53と共に暮らしています。
いつものようにゴミを漁り、使える廃品を探していたティナ。しかし、とあるきっかけで自分には父親から託された重要な使命があることを知ります。
使命に隠された秘密に迫り、その使命を果たすため、ネオベルリンをめぐるティナとSAMの冒険がはじまります。
ゲームの概要
『ENCODYA』はポイント&クリック型のアドベンチャーゲームです。拾い集めたアイテムを組み合わせて使ったり、街の人々を手助けしたりといった行動を通してストーリーが進行していきます。
体が小さいティナとロボットのSAMにはそれぞれ得意不得意があります。プレイヤーはその場に応じてティナとSAMの操作を切り替えながら問題を解決していきます。
全体の感想とクリア時間
サイバーパンクというと大人向けの暗いストーリーが多いイメージですが、『ENCODYA』は子供でも楽しめるような少女とロボットの冒険譚となっていたのが新鮮でした。
マップ内の雰囲気がとても良く、ゲームプレイを邪魔することなく雰囲気を引き立ててくれる静かなBGMも良かったです。
一方で探索、移動、謎解きといった部分に不親切な点が多く、難があると感じました。エリアの切り替え時に挟まるロード時間も気になりました。
クリアまでの時間は5時間ほどでした。私は中盤から攻略を見ながら進めたためこの程度の時間になっていますが、攻略を見ずに自力でプレイしていたら倍以上の時間がかかっていたと思います。
良かった点
サイバーパンクな世界を味わえる
マップ内の雰囲気がとても良く、ひしめく建物、多言語なネオン看板、薄汚れた街並みといったサイバーパンクな世界の空気をしっかりと味わうことができました。
背景は雑多なだけではなく手書きのような風合いで味わいがあり、新しいエリアに移動するたびに新しいワクワクを感じさせてくれました。とても素晴らしいアートワークだと思います。
BGMもサイバーパンクな雰囲気を引き立てていました。ゲームプレイを邪魔することなく控えめに流れる音楽が心地良かったです。
丁寧なローカライズ
音声は英語ですが、文章はしっかりと日本語翻訳されていました。皮肉混じりの会話やメタ的な発言なども違和感なく訳されていて読みやすかったです。
細かい点ですがフォントもゲームの雰囲気に合うものが使われていて良かったです。ローカライズの際に全然ゲームに合っていない適当なゴシック体や明朝体が使われてしまうことも多い中、字体までしっかり調整されていたのが好印象でした。
収集と実績のやり込み要素
このゲームには街中に散らばる隠しギミック、「シークレット」を収集する要素があり、やり込み要素となっています。
また、Nintendo Switch版でも実績要素があり、Steamのように実績を解除する過程を楽しむことができます。
気になった点
エリアの行き来で発生するロード時間
このゲームでは各エリアを行ったり来たりしてゲームを進めていくのですが、エリアの切り替えごとにロードが発生します。短い場所だと5秒程度、長い場所だと10秒近くかかることもあり、下記のわかりにくい謎解きと相まってプレイ中のストレスになりました。
アドベンチャーゲームとしては不親切
見にくい、わかりにくいアイテムやオブジェクトが多く、アドベンチャーゲームとしては不親切だと感じました。
拾うことができるアイテムは強調表示できるものの、強調表示をしてもやや見にくいものが多々ありました。
また、操作できるオブジェクトと背景の区別がしにくく、小さな配電盤のようなものだと見逃しやすくなっています。
エリアの切り替え場所もわかりにくく、近づきすぎると判定が消えてエリア移動の選択ができなくなるなど操作しにくい部分もありました。
わかりにくい謎解き
謎解きの解答として唐突なものが多くあり、問題から正解までの導線もうまく引かれていません。手応えがあるとか考える甲斐があるというものではなく、単純にわかりにくいだけという謎解きが多いのが残念でした。
おわりに
ネガティブな点も目につきましたが雰囲気はとにかく良く、アートワークが素晴らしいゲームです。
セールの際には大幅に値引きされていることもあるようなので、お得に購入したい方はぜひセール中のタイミングを狙ってみてください。
それでは、ここまでご覧いただきましてありがとうございました!