このページではSteam版(PC版)『メゾン・ド・魔王』のレビュー・感想を記述しています
『メゾン・ド・魔王』
- 『メゾン・ド・魔王』(2023年12月現在)
- Steam版の価格:398円
- Switch版の価格:864円
- PS4版の価格:880円
- 開発元:Petit Depotto
- リリース日:2013年8月16日
- ジャンル:タワーディフェンス 経営シミュレーション
- プラットフォーム:Nintendo Switch PlayStation 4 Steam Xbox 360 PlayStation Vita ニンテンドー3DS
『メゾン・ド・魔王』はモンスターたちが住むアパートを管理し、襲ってくる勇者と戦わせながら世界征服を目指す経営シミュレーション型タワーディフェンスゲームです。
モンスターたちはアパートで暮らしながら仕事をしたり、遊びに出かけたり、恋人と愛を育んで子供を産んだりとおのおのの生活を営みます。
プレイヤーは管理人の魔王として室内の家具を整えたり、住人の要望に応えたりしてアパートを経営していきます。時には家賃を滞納する住人への対処に迫られることも。
モンスターは人間たちとの戦いにおける戦力でもあります。クエストに挑戦し、勇者たちが襲来してきた時にはモンスターたちに戦う、退くといった指示を出して人間たちを撃退し、勝利を目指します。
全体の感想とクリア時間
操作やシステムは非常にシンプルながら、意外と幅のある楽しみ方ができるゲームです。育成のおもしろさもあり、実績解除も兼ねてつい2周、3周とやり込んでしまいました。
私の場合クリアまでの時間は11時間、全実績解除までのプレイ時間は35時間でした。プレイ時間数時間程度の軽めのゲームかと思いきや、予想以上にじっくり遊べたという印象です。
Steam版では500円以下、CS版では1000円以下という値段ですが、ハマれば価格以上に楽しめると思います。タワーディフェンス、キャラクター育成が好きな方にオススメです。
クエストに手ごたえはありつつも、かなり親切なつくりになっています。そのため、タワーディフェンスに馴染みがない方、自分のペースでゲームを進めるのが好きな方にもオススメできます。
良かった点
やり込みがいのある育成
当初はクリアしたら終わるつもりだったのですが、モンスターを育てて強くすることを覚えてからは「もっと強いモンスターを育てたい!」「もうちょっとやり込んで実績コンプリートしたい!」というモチベーションが湧いてきて周回プレイしてしまいました。
モンスターの能力は室内のアイテムによって強化されます。モンスターは恋人を作って子供を産むことがあり、親の能力を引き継いだ子供は入居者としてやってくるモンスターより強い能力を持っています。
こうして世代を経た強化をしつつ、近接型、遠距離攻撃型、壁役など、それぞれの特色を活かした育成をすることで戦略性が生まれ、戦闘が楽しくなっていきました。
また、モンスターには種類による個性があり、戦闘では頼れるけど家賃を滞納しがちだったり、あまり頼りにならないけど子供を産む頻度が高く育成がしやすかったりします。そういった特徴を知り、うまく管理していくことで楽しさが増していきました。
幅のあるプレイスタイル
犠牲を気にせず数で押していく、前衛と後衛を置いて計画的に戦う、などプレイヤー次第の戦い方ができます。
モンスターには戦いで犠牲者が出ることを嫌う種族がいたり、逆に犠牲が出るほど魔王への好感度が上がっていく種族がいたりします。プレイスタイルによってモンスターの構成が変わっていくのもおもしろさのひとつです。
バランスの良い難易度と親切な仕様
クエストはそれほど難しくはないものの手ごたえがあり、犠牲者ゼロでクリアするにはある程度育成が必要となるなど、丁度良いバランスになっていると思います。
ゲームの仕様はやさしくなっています。雑魚敵はちょくちょくやってきますが、クエストを受けなければ基本的に強敵はやってこないので、プレイヤーのペースでゲームを進めることができます。
また、戦いで敗れたり敵を逃したりしてもゲームオーバーになることはありません。所持金を奪われるというペナルティはあるものの、ゲームはそのまま続行することができます。
連戦のクエストでも途中でキャンセルできるので、戦いが厳しそうだったら一回クエストを止めて準備をし直すという選択が可能です。試行錯誤しながらでもゲームを進めやすい、やさしい仕様になっています。
プレイヤー目線の丁寧な設計
ところどころにプレイヤーの目線に立った配慮が感じられました。
例として、建物の増築時にはまとまった金額が必要になるのですが、そのタイミングに限り金策となるクエストを繰り返し受注できるようになっています。
また、上の項目で書いたように連戦となるクエストでも途中で取り消すことができ、戦闘で失敗してもゲームオーバーになることがありません。
プレイヤーにとって無意味なストレスとなる要素をちゃんと排除してくれている丁寧なゲームだと思いました。
スムーズな操作性(Steam版)
PC版の『メゾン・ド・魔王』は全ての操作がマウスのみでできるようになっています(もちろんキーボードによる操作も可能)。
メニューを閉じるのにEscキーをいちいち押す、というような動作がないのでストレスのない操作感になっています。
注意点
映像的な楽しみは少ない
魔物たちの姿はどれも個性があり、魅力的です。しかしゲーム全体での画面の変化は少なく、戦闘時のモーションやエフェクト等もシンプルです。
また、住人たちが部屋の中で何をしているのかを説明する文章は結構おもしろく、中を覗いてみたくなるのですが、室内の様子を見ることはできません。映像面での楽しみを求めている方はご注意ください。
経営の駆け引きはあまりない
経営の面で駆け引きや試行錯誤する楽しさはあまりないです。アパートの環境を整えていく、住人の収入や満足度に応じて家賃を調整するといった要素はありますが、主な収入はクエストの報酬になるため経営の重要性は低くなっています。
経営シミュレーション要素を重要視する方は注意してください。
おわりに
『メゾン・ド・魔王』は『グノーシア』の開発チーム、Petit Depotto(プチデポット)の作品ということで興味を持ち、ずっと気になっていたゲームでした。
『グノーシア』とは毛色の異なる作品ですが、ついついやり込んでしまうバランス感やプレイヤー目線の配慮、スムーズな操作性など良い点が共通していて、やはり信頼できる開発チームだなと実感しました。Petit Depottoの今後の情報もしっかり追っていきたいと思います。
それでは、ここまでご覧いただきましてありがとうございました!